影響を受けた写真家について
- yohane83
- 2023年3月2日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年3月10日
私が写真を始めたのは、社会人になってからです。もう、10年以上も前の話になります。就職してすぐ配属された部署が広報で、上司から無理やり初任給でカメラを買えと言われたのがきっかけでした。
広報の仕事上、いろいろなフォトグラファーと仕事をさせていただきました。主にポートレート撮影が多く、撮影現場で多くのことを見て学ぶことができました。今思えば、大変貴重な経験でした。
一緒に仕事をさせていただいた方々の中で、特に印象に残っているのが写真家の水谷充氏です。水谷氏とは三度ほど一緒に仕事をさせていただきました。水谷氏はとても気さくな方で、話の引き出しが多く、非常に楽しかったことを今でもよく覚えています。
水谷氏の撮影で最も印象に残ったのは、限られた時間の中で被写体との対話を通して一気に距離を縮め、被写体の一番いい表情を的確にとらえてテンポよく撮影されていたことでした。その一挙手一投足には無駄がなく、数カットだけで我々が望む以上の写真を撮られていました。これはもう、水谷氏の天賦の才能というほかないでしょう。
そして、日進月歩の勢いで技術革新が進むカメラや機材に対する貪欲な知識欲は、他のフォトグラファーと比べて強かったと思います。当時はミラーレスカメラが出始めたころでしたが、誰もミラーレスカメラを使わなかった中で、水谷氏だけはミラーレスカメラを使って撮影されていました。なぜミラーレスカメラを使うのか訊ねると、レフ機にはない幾つかの利点を一つひとつ丁寧に挙げ、それらの利点を最大限に引き出せば、レフ機に劣らずいい写真が撮れるとおっしゃっておりました。本当に研究熱心で、いい技術があれば積極的に取り入れようという姿勢に感銘を受けました。
その後、私は他部署へ異動となり、また委託先企業も変わって水谷氏とはそれっきりとなってしまいましたが、水谷氏が撮影された作品が掲載された雑誌は必ず読み、また思い出したときに水谷氏のSNSやウェブサイトをチェックしていました。
私は今ではストリートスナップをメインに撮影していますが、今でも水谷氏の無駄がなく、撮影のピークポイントを的確にとらえる撮影スタイルを理想としています。未だにその境地には辿り着いておらず、まだまだ遠い存在です。
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